海のアジア①海のパラダイム

『海のアジア』シリーズ第1巻.図書館に前からあったのは知ってたけど,「留学生用」ってシールが貼ってあったから借りられないのかと思ってた.でもこの前,興味半分でバーコード読ませてみたら借りられちゃった.借りられるんならさっさと読んでおけばよかった,全部で第6巻まであるのヨ.

構成は大まかなテーマで巻が分かれてて(海のパラダイム,モンスーン文化圏,島と人のダイナミズム,ウォーレシアという世界,越境するネットワーク,アジアの海と日本人),さらに各巻も小さなテーマに分かれてて(1巻:海のパラダイム,海のアジア史,海から考える現代,海への感受性),さらに各テーマに2,3人の筆者が割り当てられていて,それぞれの記事が書かれてる.

1巻は,パラダイムって通り,全体的な気候やら歴史やら地理やら導入的なものが多い.ただ,書き方はそれぞれの筆者次第で,教科書・歴史書風だったり,情景描写がすごく豊かな紀行文風だったり,一人称の体験談風だったり,読んでいて飽きない.ちょっと地理が分からなくなったり歴史が分からなくなったりして,年表と地図があるといいかな?(笑)

世界を見るとき,海から眺めるのと陸から眺めるのとは,見え方がだいぶ違う.陸から眺めるときも,人間社会を意識して眺めると不自然な国境があるせいで連続的な環境が分断されるし,自然環境を意識して眺めると人間社会は分断されるし,違いがあるでしょ?特に空路が使えなかった時代,民族の移動があった時代には文化圏の形成要因としてはかなり大きかったはず.

いっそ魚になった気で海の生態&気候(海候?)から世界地図つくったらどーなんのかね?世界の7割を占めてるだけあって,切れ目を作るのは大変だよね.北極に生きるクジラやらアザラシやらには我慢してもらうとして,南北アメリカを太平洋山系に沿って縦に切るのがよいのかな?遡上できる川もあまり切らずに済むし.そーすると生物種が多いアジアの大都会の海も真ん中あたりにくるしね.

とりあえず,第一巻はかなり面白かったんで,次も借りてみようと思う...が,タイムリミットが〜!!