読んだ

容疑者Xの献身

「泣くしかない,理解できんけど,すげぇんよこの愛」と博多弁の友人から薦められて読んでみた本.今年の直木賞.天才的な数学の才能を持った中年高校教師が隣人の母子の犯してしまった殺人を庇う,というお話.トリックというか意外な結末が素晴らしい,とい…

沖で待つ

受賞作を読むようになってから,悪く言えば荒々しい,良く言えば挑戦的,な感じがしていた芥川賞. 今回は,無駄が少なくてちょっと印象が変わった.泣かない笑わない,でも止まらない.腹八分目.就職して1年目を終えようとしているイマだから余計にリアル…

下流社会 新たな階層集団の出現

と,題名を打ち込んで変換すると,「加硫社会 新たな海草集団の出現」となって笑った.よくあることだ. ・・・えーと,実家に戻ったら妹が購入して置いてあった本で,ちょっと前に売れたらしい.「はじめに」が下流度チェックで始まる.チェックして見ると,自…

伝統の素材を生かす 日出山みなみの 新野菜料理…群馬

群馬の特産物を生かしたレシピ集.様々な形状で売られる一般的なこんにゃくの名前の紹介に始まり,太巻きこんにゃく寿司,刺身こんにゃくストロベリーソース,〜きんぴら煮,〜串揚げ,などなど挑戦的なこんにゃくレシピが掲載.ほか下仁田ネギやキャベツな…

群馬県歴史散歩大183号

読んだってか,小冊子だから眺めた?程度.「ネギとこんにゃく下仁田名産」って題で下仁田ネギと下仁田こんにゃくを語る文章を発見. 結論(1)として,すき焼きに欠かせない全国に知れ渡った食材が下仁田に二つあるのは貴重である.である.

からっ風産業 群馬の風土産業

目次に野菜栽培,酪農に並列して養蚕,製糸業,さらにコンニャク芋栽培,ダルマ,コケシ,コンニャク産業が並ぶ,スゴク群馬な本. コンニャクが芋栽培(=農業)と産業(=工業)に分かれるのは,芋の栽培は農家の仕事だけど,製粉やコンニャク作りは工場の仕事だ…

コンニャク 安定多収の技術

当の改訂版ですら自分より古い,こんにゃく農業の本.こんにゃく芋の成長過程はとても特殊に思えて面白い.どこから,どこまで,どうやって説明すればいいのか悩むけど,やってみようと思う.こんにゃく芋は種芋を春に植えると,種芋から地上では芽を出して…

逆転の翼―ペンシルロケット物語 ノンフィクション科学の扉

『轟きは夢をのせて―喜・怒・哀・楽の宇宙日記』はネット上の日記をまとめたもの,『絵でわかる宇宙大地図』は訳したもの,その他は共著,,と言えど2005年は的川先生の本が多く出た年で,本書はしっかり著者が書いて11月に出版したもの.冒頭は宇宙開発の歴…

宇宙医学

題名は硬い本みたいだけど,宇宙での生理や運動や健康について,かなり優しく万人向けに書かれた本. 宇宙医学なる体系を求める人には,ちょっとした導入にはなるか,あるいは全く役に立たない本かも.とりあえず素人の俺には面白い読み物だった. 宇宙医学…

椿と花水木 万次郎の生涯

ジョン万次郎こと中浜万次郎の伝記風の小説←なんか細かいトコはフィクションらしい.10月の終わりに寮に帰るとよく寮監が読んでいて,ロビーのテレビでニュース見てるところに話しかけて薦めてきたのがこの本. 60歳過ぎたおじいちゃんが若者に時代小説〜な…

アメリカの行動原理

東工大の社会理工の方の先生で割と有名な社会学の先生が書いた本.社会学的なものの見方(集団に根ざした風土・システム・宗教など?)からアメリカを大雑把に語った本.つまり,,1人の権力者についてまで細かく,とか,1つの問題について細かく,とか考えな…

ダイブ 水深170mに逝った愛

フリーダイビング競技者のピピンの自伝.だけどメインは妻オードリーと出会い,潜水事故で失い,そこからの復活したというラブストーリー. 追悼とも釈明とも金儲けとも思われるのは仕方ないと思うけど(責めるのは見当違いだが),文字から想像できてしまう自…

土の中の子供

両親に捨てられ,親戚宅で死亡寸前まで虐待を受けたのちに保護されて育った男が主人公.27歳でまだその経験を引きずり,死に向かう抗えない状況に快感を感じ,その先に魅せられ,,暴走族に絡んで大怪我をしたり,マンションから飛び降りる衝動にかられたり…

スペースシャトルの落日 失われた24年間の真実

スペースシャトルなんてものは,そもそも有人宇宙機に有翼の再利用機を使うことが設計ミス,なんだから日本も受けた被害を認識して今後を自分の頭で考えましょう,という内容の本,,かな.集めた情報や予測について,定量的なことはともかく,定性的なこと…

共働き子育て入門

後輩の女の子が就活するのに生活スタイル優先で,と言っていたので図書館で借りてみた本. 何しろ自分がやりたいことしか考えないで就職した身としては,そんな動機で考えるのは難しそうでよく分からない.が,具体像があるにしろないにしろ,中心に置いて考…

もりのこえ

絵本です(笑) 愛知万博のマスコットの幼いキッコロが主人公,年寄りの(知らなかった)モリゾーが出てくる,森の大切さ(?)がテーマのお話.けどちょっと大人なら抽象的に伝わりそうなこともあって,何が子供に伝わるかはちょっと疑問. とりあえず,最後に出て…

国連とアメリカ

割と新しい岩波の赤い本が見えたので読んでみた.マスコミで流行りの論調ではなかったので一つ満足はした.国際連盟も国際連合も作っておいてどちらとも衝突したのは何故,という長年の疑問にわかりやすい答えが有ったのでもう一つ満足した.最近アメリカ嫌…

武器よさらば

田舎のオヤジの部屋から見つけた本.これも発行が昭和30年だから和訳だけど訳が古い.けどさすがに数時間読んでいると慣れてくるから怖いね. 物語は最初はかなりリアルな前線の描写から始まってそのうち恋愛が混じってきて最後にはそっちが支配的になる.当…

日本企業はNASAの危機管理に学べ!

実際に宇宙開発の現場でマネジメントしてた人の本. NASAをはじめ日本やロシアの宇宙開発での危機管理が中心で,危機管理の体系を作るよりケーススタディをメイン書かれている. 組織が大きいときの危機管理は分野を問わず共通したところもあるので,これを…

轟は夢をのせて

先日4月12日はペンシルロケット誕生50周年ということで的川先生が研究者の糸川先生の話をしに来た. そのときは的川先生は名前しか知らなかったから,JAXAの横に広い先生,としか印象を受けなかった(笑) そのあと,この日記集(ML集)を読んで,エライ人である…

国産ロケットはなぜ堕ちるのか

今更?と思われるかもしれないけど,実は航空宇宙関係の普通な本はあまり読んだことがない. 理由のひとつは「どくしょ」くらい専門外を読みたいから. もひとつつは情熱の源泉をこの辺に求めることもなかったから. でも流石にこういう会社に就職してしまっ…

日はまた昇る

正月に田舎に帰ったときに父親の本棚からパクった本. 一緒に『武器よさらば』も持ってきたけど薄い方が先(笑). 後から気付いたけどこっちの方が出版も早かったらしい. パリを中心にフランス,スペインを舞台にした恋愛小説. どの階級がどの位裕福か分か…

海辺のカフカ

パラオ行きの朝,成田へ向かう途中,日暮里のキヨスクで買った本. 暇つぶしの道具をすっかり忘れていたので,購入. 村上春樹は読んだことなかったから読んでみたかったし, カフカが好きなのは…関係ないか?あと新しいっぽかったし. 往路,日暮里-成田間…

ノルウェイの森

パラオのダイビングショップに置いてあった本. 上下巻あって,暇を潰すのにちょうど良かった. そして,読み途中の『海辺のカフカ』と同じ作者だった. 読み終えたトコが規準なら村上春樹を初めて読んだ本. 朝6時に起きてから,朝食の8時まで2時間の余…

グランド・フィナーレ

『蹴りたい背中』『蛇にピアス』のダブル受賞以来, 文芸春秋に掲載される芥川賞をずっと読んでる(と言っても3回目). 実は旅行の前日に買って,そのまま読まずに旅立ってしまった. 帰ってきたらそのままの状態でリビングに有って,笑った. さて,今回の…

海のアジア①海のパラダイム

『海のアジア』シリーズ第1巻.図書館に前からあったのは知ってたけど,「留学生用」ってシールが貼ってあったから借りられないのかと思ってた.でもこの前,興味半分でバーコード読ませてみたら借りられちゃった.借りられるんならさっさと読んでおけばよか…

東アジア共同体‐経済統合のゆくえと日本‐

東アジア(東南アジア諸国と中国・韓国・日本)による共同体の有効性と道程について.特に前段階として経済圏成立についての詳細.やっぱり,早いうちから考えてる人はいたんだねぇ. 中東,ロシアと緩い結合を持つインド以東のアジア共同体,特にASEAN+中国・…

性転換する魚たち

ダイビングでも良く見かける魚って結構、性転換するのよ。キンギョハナダイとかクマノミとかは綺麗で可愛いから有名だけど。その仕組みを追いかけた学者さんの本。 ホンソメワケベラなんて有名でも地味な魚が性転換したところで、だから?って感じだけど、進…

東南アジア市場図鑑[魚貝編]

東南アジア(フィリピンが多め)の市場に並んでいる魚介類の紹介.魚それぞれの流通,料理法,写真,などなど.写真はダイビング関係と違って釣り上げた後(買い取った後,か)の写真で,ざっと見るとやっぱ観賞目的じゃないからちょっと地味なのばっか.でも逆…

アジア政治を見る目

1960年から90年あたりの東南アジアに見られる軍事独裁から民主化までの類似点を指摘する.章立てて取り上げるのは韓国,台湾,インドネシア,マレーシア,シンガポール.確かにこの5カ国について「開発主義国家」(軍事独裁による強力な開発の推進)の形成と「…