ノルウェイの森

パラオのダイビングショップに置いてあった本.
上下巻あって,暇を潰すのにちょうど良かった.
そして,読み途中の『海辺のカフカ』と同じ作者だった.
読み終えたトコが規準なら村上春樹を初めて読んだ本.


朝6時に起きてから,朝食の8時まで2時間の余裕があって,
部屋にちょうど朝日が長く差し込んでたので,そこで空腹を紛らわすのに
午後3時にダイビングを終えてから,夕食の6時までも自由時間で,
水着とシャツを洗って買物しても時間は余るから暇を潰すのに,読んだ.


体温と外気にほとんど温度差を感じないぬるい部屋の中,
読んでみると本当に周りが見えない聞こえないほど入り込めた.
部分的には全く自分とは違う主人公だけど,感情移入はしやすい.
<どの感情より,やる気のなさってのが一番しにくい,ね(笑)


かなり個性が精神的異常と分けられない位に書かれているのに,
全体は切ない恋物語の代表例みたいに売れているのは面白い.
ちょっとこの話に出演するために作られた人みたいだ.
と思ったけど,小説ってそこに突っ込むものではないかぁ.


さて,相手に幸せになってもらいたいのに仕方が分からないのは辛い.
でも自分で選んだ道は結果を問わずそれなりに自分を幸せにする…
ので自分の判断より相手のが優先される.片思いが叶わないように.
叶わないものがあっても,ある意味楽なケースだ,それは.


相手が判断できない状態ならどうだろう.
無難なのは医者と,家族と,親しい人たちとを優先することか.
植物人間を看取る家族とかそうかなぁ.
本筋とは関係ないけどね,そんなことを考えてた,と思った.