海辺のカフカ

パラオ行きの朝,成田へ向かう途中,日暮里のキヨスクで買った本.
暇つぶしの道具をすっかり忘れていたので,購入.
村上春樹は読んだことなかったから読んでみたかったし,
カフカが好きなのは…関係ないか?あと新しいっぽかったし.


往路,日暮里-成田間,そして雪で飛ばない飛行機を待つ間で上巻,
復路,コロール島の観光中の空き時間に堤防で下巻を読み終えた.
お陰でトラブルも待ち時間も全く気にならなかった.
と,いうか読み終わるまでは続いて欲しかったくらい.


上下巻の間に『ノルウェイ-』を読んでしまったが,
『海辺-』の方が共感できるとこは少ないけど面白かった.
そんなに強く引き込むモノがあるわけでもないのに,
止められないのは文章が上手いからなんだろうか.


決して簡単な表現ばかりでないけどスムースに頭に入る.
入ると情景がすぐ浮かぶ.適当な人をベースに人の顔も.
たまにイメージが先行するけど余りハズレず追いつかれる.
そういうときは大抵,計算されてた気にさせられる.


ファンタジーの部分である異世界の現れ方が良かった.
チラッとチラッと.笑
輪郭が曖昧とはいえ全容が見えたときも説明的な部分がいらない.
そこが思い返すと良かった.読みながらは思わなかったけど.


さて,主題についてはどう書こう?
というのも夢中にはなれるが後に残る感動があるわけではない.
そして,村上春樹を知る以上に得た物もあまりない気がする.
指摘する,考える穴が少なく完成されてるのは良い事なんだろうが.


娯楽性と中毒性の高い本.
たぶん,当分は村上春樹を読むことは無い,と思う.