武器よさらば

田舎のオヤジの部屋から見つけた本.これも発行が昭和30年だから和訳だけど訳が古い.けどさすがに数時間読んでいると慣れてくるから怖いね.


物語は最初はかなりリアルな前線の描写から始まってそのうち恋愛が混じってきて最後にはそっちが支配的になる.当時の制度や戦争や死を幸せと対立する非条理として描き,しばしば負けそうになり,そのまま物語も終わるという人生そのままな感じ.


物語も面白いけど,いろいろな種類の欧米人の性格とか戦争観とか旅行観とかも面白い.でもどうも階級が上の方ばかりなので,中流以下はちょっとよく分からない.それはそれで参考になる本を読んでみたい.


とりあえずオヤジも中古で買ったっぽいけど,筋肉だらけでレーバンのサングラス掛けた若い自衛官がこれを読んでいたところを想像すると,ちょっと笑える.もちろん,戦争を一番嫌っているのはたぶん当の兵士だという意味では俺より深く読んでいたんだろう.


昨日,研究室に行ったら広島出身の女の子に軍事アレルギーだから重工・重電には就職できない,なんて話を聞いた.う〜ん,見なくても触らなくても作らなくても,コトは進むんだから,そういう企業には他人に任せず戦争嫌いが居た方が良いと思うんだけど.


ってか,まさか自衛官軍需産業の従事者がほかより戦争を容認してると思ってるわけじゃないよね.無信心なので願うけれど明日の戦争がなくなるとは思ってないので,せめて一人でも死ににくい努力をする人は,何もしない人より好き.


本当に守りたいものがあるなら,することにもしないことにも責任もたないとね.行動する時はともかく,放置するときはそんなことも忘れがちで自分を困らせてるこの頃っす.戦場はもっと大変なのだろうし,と読んでみて思ったし.