スペースシャトルの落日 失われた24年間の真実

スペースシャトルなんてものは,そもそも有人宇宙機に有翼の再利用機を使うことが設計ミス,なんだから日本も受けた被害を認識して今後を自分の頭で考えましょう,という内容の本,,かな.

集めた情報や予測について,定量的なことはともかく,定性的なことはだいたい合っている,と思う.とはいえ,スペースシャトルのコンセプトがどれだけ強いインパクトを持ち,優秀な頭脳を呼び集め,夢や目標を与えたかは考慮されていない.
なのでスペースシャトル以外の選択をしていれば(どんな前提なら可能だったか謎だが),さらに順調に計画が24年間進んでいれば(そりゃないと思うが),今より宇宙開発が進んでいた,とは言い切れないと思う.
しかも設計ミスってのも計画の成功や科学の発展が基準になってるわけで,多くの国に期待だけ持たせてイニシアティブを保持し続けた米国にとっても大きなミスだった,とは言い切れないと思う.

とはいえ,とはいえ,この本の趣旨はスペースシャトル批判でなくて,スペースシャトルに依存し期待する日本の宇宙開発批判なので,,やっぱ筆者が言ってることはだいたい正しいのか.