容疑者Xの献身

「泣くしかない,理解できんけど,すげぇんよこの愛」と博多弁の友人から薦められて読んでみた本.今年の直木賞

天才的な数学の才能を持った中年高校教師が隣人の母子の犯してしまった殺人を庇う,というお話.

トリックというか意外な結末が素晴らしい,というのは友人に同意できるけど,愛し方への意見には同意できない.


ワリと普通じゃない?


かなり共感できる愛し方.その人が幸せであることで幸せになる気持.
論理的であるが故に性欲や寂しさや楽しさやその他諸々の気持の集合体を,特別に"愛"なんて定義付けたくない.だってそんな閾値がないと区別できなような気持,全然ありがたくないじゃん.
極々稀に感じる何を捨ててもその人を幸せにしたい,それ以外でそれ以上の幸せが得られない気持,それならワザワザ"愛"と呼んでもいい.個人的には"信仰"でもいいかなって思う,本質的に.
んで,ソレがあるなら極めたい.だって自分の幸せの最適解がソコにあるのだから(断定はマズいかもしれない.でも嫌気がするほどマテリアリストな自分としては,そうあって欲しいと祈る).


#幸いにして,かつて惚れて今も愛するヒトは,自分が幸せになることに何の躊躇もないヒトで,何の便りも何の見返りもなくてもそのヒトの世界を遠くで楽しくすることに専念できる.ずっと愛してる.失わない自信もあるから,次ぎも欲しい.


で,本の話に戻ると,「バカだよねぇこの男」という意見に一番同意できる気がする.